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Knitfab v1.6.0 をリリースしました

MLOps knitfab リネージ管理 リリースノート
髙岡陽太

みなさんこんにちは。株式会社オープンストリーム・技術創発推進室、Knitfab 開発リードの高岡です。

この度、Knitfab v1.6.0 をリリースしましたので、そのお知らせをいたします。

今回のリリースで、ついに Web コンソール が導入されます!

新機能: Web コンソール

このリリースの最大の変更点である、Web コンソールをご紹介します。

Knitfab の Web コンソールは次のような画面をしています。

Data、Plan、Run の 3 タブ構成となっていて、各タブではそれぞれ、Knitfab に登録されている内容を一覧・検索できます。

さらに、Data タブと Run タブに一覧されている要素には LINEAGE ボタンがあり、ここからリネージグラフをポップアップ表示することができます(次図)。

knit data lineage で生成される画像とはちょっと印象が違いますが、同じように、Data や Run にまつわるリネージをビジュアライズしたものになっています。

加えて、Plan タブからは、Plan Graph をポップアップ表示できます。

Plan とその入出力が図示されています。

Web コンソールは、Knitfab がデプロイされているホストのルート( / )に公開されます。たとえば、Knitfab が example.com にデプロイされているなら、https://example.com/ から、192.0.2.1:30503 にデプロイされているなら、https://192.0.2.1:30503/ から、アクセスできます。

Knitfab の運用管理を行っている方は、次にご紹介する TLS 証明書更新機能についてもご一読ください。

その他の新機能

インストーラの改善: TLS 証明書を更新できるようになりました

Knitfab は、通常のインストールでは、自己署名した CA証明書と、その証明書に基づくサーバ証明書を発行して自身を HTTPS 化しています。

この証明書を入れ替え・更新できるようにしました。

インストーラに ./installer.sh --renew-cert という新しいオプションを追加しました。このコマンドを Knitfab のインストール操作を実行したディレクトリで実行することで、インストール時に利用(生成)した CA 証明書に基づき、新しいサーバー証明書を発行します。その後、改めて ./installer.sh --install で Knitfab をアップグレードすることで、Knitfab に証明書が適用されます。

有効期限切れなどの事情から、CA 証明書も再生成したい場合には ./installer.sh --renew-cert --renew-ca を実行します。

あるいは、お持ちの証明書類を Knitfab に適用するには、次のコマンドを実行後、前述のとおり Knitfab をアップグレードしてください。

./installer.sh --renew-cert \
    --tls-ca-cert ... --tls-ca-key... \
    --tls-cert ... --tls-key ...

--tls-ca-cert--tls-ca-key で CA 証明書ペアを、 --tls-cert--tls-key でサーバー証明書ペアを指定します。もし --tls-ca-cert--tls-ca-key のみが指定されたなら、サーバー証明書を CA 証明書から新規に発行します。

さて、Knitfab 運用管理者の方に向けた重要なご案内です。このリリースから、 Knitfab が生成するサーバー証明書に、ブラウザからのアクセスを前提にした設定を追加しています。 v1.5.1 以前に生成された証明書には、そうした設定がありませんので、証明書を更新しないで v1.6.0 にアップグレードした場合、ユーザは Web コンソールにアクセスできない、ということになってしまいます。従いまして、過去バージョンの、自動生成した証明書をお使いの Knitfab からアップグレードする場合には、証明書の更新も行うようにしてください。

Helm チャートの不具合修正: 外部の RDB を利用できるようになりました

Knitfab のインストーラが生成するインストール設定ファイルには、データベースに関する設定が書かれたファイル ./knitfab-install-settings/values/knit-db-postgres.yaml があります。

これまで、このファイルには external というフィールドがありましたが、機能していませんでした。

このリリースからは、このフィールドが機能するようになりました。詳細は ./installer.sh --prepare を実行して、生成された当該ファイル内のコメントをご確認ください。

これによって、Knitfab をクラウドプラットフォーム上にデプロイする際に、マネージドな RDB を使いやすくなります。

まとめ

Knitfab v1.6.0 のリリース内容をご紹介いたしました。

詳細なリリースノートは リリースページ( https://github.com/opst/knitfab/releases )に掲載してあります。また、Knitfab のドキュメント( https://github.com/opst/knitfab-docs )も v1.6.0 の新機能を追記する形で更新いたします。

Web コンソールは、長らく追加したいと考えていた機能であり、これを皆様にお届けできることを嬉しく思っています。

今後とも、Knitfab をよろしくお願いします。


著者プロフィール

名前: 高岡陽太

株式会社オープンストリーム/技術創発推進室 

長らく Web 系のシステム開発をしてきたが、2019年頃から機械学習関連の案件に携わり始めた。
ディープラーニングモデルの開発からその API 化、フロントエンド開発まで、必要とあらば一通り手掛ける。
最近は、機械学習それ自体はもとより、機械学習開発を支える技術としての MLOps に興味を持っている。

MLOps 用基盤ツール Knitfab の開発リード。

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